小説
綾辻行人の「フリークス」を読了しました。 「殺人鬼」の次は「フリークス」です。 精神科病棟を舞台にした奇妙な短編集。 ホラー要素のあるミステリーです。 前回は外からの暴力でしたが ぜひ。 フリークス (角川文庫)作者: 綾辻 行人出版社/メーカー: 角川…
綾辻行人の「殺人鬼 ‐‐覚醒篇」を読了しました。 この作品は表紙も目を引くものがあり、絢辻さんの作品だからなんかあるだろう…と思わせる本です。 キャンプに来た若者が皆殺しになる話です。(キッパリ) この作品はエゲツないほど、理不尽な暴力、残虐、殺人…
綾辻行人の「殺人鬼 ‐‐逆襲篇」を読了しました。 前回の「殺人鬼」の続編です。 この本単品でも読むことができます。 前作の殺人鬼がどこかから湧いて出て、また殺意と暴力、理不尽な死を撒き散らしながら、今度は山から街へ降りてきます。 殺人鬼の正体を明…
誉田哲也の「あなたが愛した記憶」を読了しました。 女子高生が連続殺人犯を追いかけるという話。 出てくる3人の主要メンバーは所謂、近しい人の記憶の持ち主として生まれ変わりをしています。 突然、主人公の前に現れた高校生が亡くなった恋人との子供であ…
加藤元の「嫁の遺言」を読了しました。 「嫁の遺言」はこの本の短編作からタイトルをとったものです。 若くして、奥さんを亡くした夫の悲しみの中の喜怒哀楽と「あ、これがこの人にとっての小さな幸せなんだ」と思わせる話。 どの話も哀愁漂うというか、切な…
中村文則の「迷宮」を読了しました。 胎児のように丸くなって死んだ女の周りに無数にある折り鶴……凄惨な事件現場を表現してるのに美しく、なぜか日本昔話の怖い話を聞いたような気分になりました。 殺された女が美しかったというのも、折り鶴の艶めかしさと…
湊かなえの「境遇」を読了しました。 生まれてすぐ捨てられた年の同じ女の子たちの話。 主人公の一人陽子は政治家の夫を持つ絵本作家。 もう一人の主人公は独身仕事一本の新聞記者の晴海。 陽子には子どもがいて、その子が誘拐されたというのがきっかけです…
百田尚樹の「フォルトゥナの瞳」を読了しました。 ハードカバーで買おうか迷った「フォルトゥナの瞳」が文庫化されました(個人的に百田尚樹がすきなだけです)。 火事に遭い天涯孤独となってしまった主人公。 自動車の塗装の仕事をして細々と生活していました…
佐藤青南の「ある少女にまつわる殺人の告白」を読了しました。 この本は完全に表紙買いで、佐藤青南さんを知ったのも本書でした。 表紙買いで買ってみたものの、話がとっても重いです。 頭のおかしい家族が出てきます。 虐待なんて当たり前です。 そこに男の…
山白朝子の「死者のための音楽」を読了しました。 「死者にしか聞こえないメロディ」と言えば、私の中では賛美歌のようなイメージをしていたのですが、もっと罪深いような音楽のようです。 というのも、(当たり前ですが)必ず、どの話にも死者が出てきて、救…
大石圭の「甘い鞭」を読了しました。 レイプされたことのある女医さんが、M女でビシバシされる話、と言ったらそれまで…。 私が買った表紙は、壇蜜さんのものですが、三次元の人が出てきてしまうと拍子抜けするので毎度の如くカバーをかけました。 この作品は…
桜木紫乃の「ホテルローヤル」を読了しました。 表紙が「ホテル」にしては、灰色のところが印象的。 私はこれがチラチラ目に入るので、ついつい買ってしまいました。 ホテルというとキラキラしたイメージなのですが、確かにこの本はグレーがかった内容。 ち…
辻村深月の「鍵のない夢を見る」を読了しました。 辻村深月さんの本はいつでも、気持ちを汲み取るような表現があります。 今作は、犯罪が絡む短編集です。 この本の読了後は「なんか、オチが腑に落ちない…なんか不完全燃焼かも…」という感じでした。 辻村さ…
柚木麻子の「ランチのアッコちゃん」を読了しました。 女先輩(アッコちゃん)の弁当を女部下(美智子)か作るという話!というのが簡単な説明だと思います。 この小説、表紙がまず、美味しそう。 出てくるお弁当も詳細が書かれてて美味しそう。 アッコ女史(先輩…
おはようございます! みなさまはもう仕事納めされたでしょうか。自宅や帰省された方は実家でゴロゴロ過ごされているかもしれません。コタツのお供に小説はいかがでしょうか? どんな小説を買って良いのか悩まれる方もたくさんいると思います。購入の参考に…
豊島ミホの「ぽろぽろドール (幻冬舎文庫)」を読了しました。 某ネズミの国の人形にさえ、まずは恐怖からの構えをしてしまう私ですが、「ぽろぽろドール」はロリータな表紙とタイトルを感じました。 短編集ですが、思ったより暗く人形を自分に投影して、怪し…
唯川恵の「病む月 (集英社文庫)」を読了しました。 私は「ヴァニティ」のときから唯川恵さんが好きで、文庫版は見つけたら、すぐに買ってしまいます。 「病む月」は少し前にかなり前に出た文庫ですが、まず表紙が禍々しい。 唯川さんといえば、「女性」を書…
久しぶりの更新です。 樋口卓治の「ボクの妻と結婚してください。 (講談社文庫)」を読了しました。 癌で余命を宣告されてしまった放送作家の主人公。余命が僅かなら「俺がいなくなっても笑いがある世界を残そう」と決心し、まず妻の自分が死んだ後の結婚相手…
麻耶雄嵩の「神様ゲーム (講談社文庫)」を読了しました。 初めて読む作家さんです。 以前から表紙とタイトルが気になって、読んでみました。 自称神様と名乗る少年と掃除当番の場所が一緒になった主人公。 神様の力が本物か試して、本物なんだ…と神様である…
辻村深月・湊かなえ・米澤穂信・万城目学の「時の罠 (文春文庫)」を読了しました。 辻村深月、湊かなえ、米澤穂信の3人の名前を見て購入。タイトルの通り、いずれも時に関する話です。 辻村深月はうるっとくる話を、湊かなえは感情の表現を、米澤穂信さんは…
湊かなえの「母性」を読了しました。 久々の湊かなえさんの本です。 「母性」というタイトルから、湊かなえさんの匂いがしてきます。ハラハラドキドキです。 内容としては、母親が母親離れできてないために、愛着関係が持てなかった親子の話という感じ。 交…
森見登美彦の「新釈 走れメロス 他四篇 (角川文庫)」を読了しました。 この作品は、有名な著者の小説をあえて現代版にしてみよう!という試みの本です。 私が一番面白かったのは、「走れメロス」です。一応、元の物語に則しているところがなんとも言えない面…
かべ様よりいただいたフィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))」を読了しました。 かべ様より本を頂きました! - 本屋の中のひと 世界観は最終世界戦線で核戦争が起こり、地球では動物という動物が死に、人間…
伊藤計劃・円城塔の「屍者の帝国 (河出文庫)」を読了しました。 本作は伊藤計劃が亡くなった後、それを円城塔が引き継いで書いたという作品です。 読みごこちとしては、やや難しいと感じました。 今まで以上に、横文字言い換えが多くなる ことと、登場人物が…
伊藤計劃の「ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)」を読了しました。 伊藤計劃シリーズ2作品目。 本作は伊藤計劃シリーズの中でも読みやすく、終わりが残酷です。 ある意味これが、この3部作の最終地点なのではないか?と思います。 ますます、PSYCHO-PASSや攻殻機…
以前の記事で、伊藤計劃の本の「虐殺器官」を紹介しました。 伊藤形劃はこの他に「ハーモニー」「屍者の帝国」を出しました。 今年アニメ映画化します。 表紙が映画化に伴い、アニメが描かれたものに変更されました。 私が買った方は、映画化発表前だったの…
冲方丁の「もらい泣き (集英社文庫 う)」を読了しました。 今話題(?)の人の本です。 文庫版の表紙は少女が泣き笑いをしていて、インパクトがあります。 中身は、泣ける本を目指して、いろんな人にインタビューしたり…とノンフィクションとフィクションの間の…
伊藤計劃の「虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)」を読了しました。 「虐殺器官」は伊藤計劃のSF小説です。 伊藤経劃は34歳、肺癌で亡くなりました。その処女作が「虐殺器官」です。 「虐殺器官」というタイトルを見て、まずギョッとしました。 「器官」ってどういう…
西加奈子の「漁港の肉子ちゃん」を読了しました。 「あおい」以来の西加奈子の作品。 肉子ちゃんは主人公(語り部)のお母さんのあだ名なのですが、肉子ちゃんの感情表現がとにかく爆発、爆発!という感じ。 肉子ちゃんは特に何度も不幸な目や理不尽な目にあっ…
唯川恵の「天に堕ちる」を読了しました。 唯川恵さんの書く女性は色んな特徴個性があって読んでいて飽きません。 今回の「天に堕ちる」はどこか不幸な女たちがどう落とし所を作るかというところが見所です。 「ヴァニティ」は甘い恋愛ものでしたが、女たちが…