百田尚樹の「フォルトゥナの瞳」を読みました

百田尚樹の「フォルトゥナの瞳」を読了しました。

ハードカバーで買おうか迷った「フォルトゥナの瞳」が文庫化されました(個人的に百田尚樹がすきなだけです)。

火事に遭い天涯孤独となってしまった主人公。 自動車の塗装の仕事をして細々と生活していました。

ある日、主人公は他人が透けて見えることで相手の寿命が見える瞳を持ち、体がどのくらい透けているかで、他人の寿命が後どれくらいかが分かってしまうようになります。

主人公は自分の親しい人が透明になっていく=死ぬのが嫌で、何度も命を救いますが、運命を変えてしまうことに等しい、その対価に自分の内臓など体が蝕まれていくことでした。

そんなときに、主人公に恋人が出来ました。 恋人の女性は主人公が一度運命を変えたひとです。

恋人も不思議な目の持ち主で、主人公と最強カップルになったと思いきや、主人公はまさか彼女が同じ瞳を持っているとは思っていませんでした。

ある日、主人公が駅前を歩いていると透けている人がたくさんいることに気付きます。 大事故で人が死ぬ、電車の事故である、電車の邪魔をして、たくさんの人々の運命を変えようとします。 その方法は、自分の体を線路に巻きつけることでした。

結局、主人公は死に、彼女は目のことを話せず…という結末。

百田尚樹らしい?と言われたら、百田尚樹らしさも確かにあるのですが、どこか主人公に感情移入するのが難しい作品で、客観的に主人公を見ても「純粋」であることしか見えてきませんでした。

百田さんの本でも、早く読み終わってしまうので、やや味気なさも感じました。

百田尚樹を初めて読むひとにはあまりお勧めしませんが、読んだことある方には「こういう書き方もあるんだ」という参考に読むのがいいとおもいます。

ぜひ。

フォルトゥナの瞳 (新潮文庫)

フォルトゥナの瞳 (新潮文庫)